【保存版】外壁塗装の工程や日数、内容を徹底解説
困る・・うちの工事が一体いつ終わるのか分からない・・
現在、塗装工事を頼んだ、もしくは頼もうとしているあなたが、金額以外にきっと知りたいこと・・
実際の塗装工事はどれくらいの日数やどのような工程で工事が進んでいるのか、工事中の状況を本当に知りたいものですよね?
はたまた今日は業者さんは家に来て作業するのか、来ないのか分からないと、本当に困りますよね。
なんか業者に一度工事を頼んだら、当たり前のことかもしれませんが。
業者さん任せに工事が勝手に進んでいっている感じまでしてしまいます。
住んでいる私たちの構える間もなく、ドンドンと勝手に進んでいく家の工事、あとどれくらいかかって、どの工程で今どれくらい進んでいるのか分からない・・
今回プロである西谷工業の新町が、これらの疑問をあなたにお応えします。
この記事を読み進めると、あなたはまるでセミナーを受けているかのように。
実際の工事の流れで、今工事はどの段階なのか。
今この工程だから、あとどれくらいの日数がかかるのか。
まるで手に取るように、あなたは理解することが出来ます。
また、なぜそのような工事が行われているのかまでも、分かるようになります。
ご興味を持たれている方は、ぜひ、このまま読み進めていってください。
実際の外壁塗装の工程と日数は何日かかるのか?
それでは大まかな外壁塗装の日数はどれくらいかかるのかを説明したいと思います。
まず結論から先に申し上げますと。
外壁塗装の大まかな施工日数は、延床面積30坪のお家を丸ごと塗装した場合で10~14日くらいとお考え下さい。
※ちなみに延床面積とは、建物各階の床面積の合計のことです。
後付けになるような、ロフトやバルコニーなどは含まれません。
もちろん各工程は、現場状況や家の状態や細かい箇所等、また天候によって異なってくることもあります。
例えば、工事期間に雨が二日降ったなら、その間は、工事に入れませんから、その雨の日を加算して考えるということですね。
今回は通常の外壁塗装をやった場合に加え、さらに屋根の塗装、ベランダの防水工事、シーリング工事等、全部の工程をやった場合を考えていきたいと思います。
「いやウチは、壁しか塗らない。」
「ウチは、屋根だけしか塗らない。」
そんな場合もあるかと思います。
そんな場合は、現在のあなたの家の状況に合わせて、いらない工程の工事は、その工事自体を省いて考えていただければ、だいたいの日程のイメージがつかめると思います。
外壁塗装する場合の大まかな工程の流れ(10~14日くらい)
まず、大まかな塗装工事の流れはこうです。
あなたのお家を丸ごと塗装する場合の工程は、以下の通りです。
足場組立工事⇒下地の確認や処理⇒シーリング工事⇒高圧洗浄⇒養生⇒さび止め、ケレン⇒下塗り⇒中塗り⇒上塗り⇒付帯部塗装⇒確認、清掃、養生撤去⇒完了検査⇒足場解体工事⇒引き渡し⇒請求書⇒お支払い
こういった流れとなります。
また、先ほど申し上げた通り、作業によっては同時進行する工程もあるため、少し工程は前後する場合もあります。
また業者によっては作業順番や職人の人数等が対象変わることもあるので、少し工程が前後する場合もあります。
それでも基本は、だいたいこの流れだと思ってもらえれば結構です。
それでは外壁塗装をする場合において、それぞれの工程を流れに沿ってどれくらいの日数がかかるのかを観ていきましょう。
1.工事着工前近隣挨拶 【作業日数0.5時間】
まず工事着工前に、近隣の挨拶をします。
どうしても知らない業者が出入りする、足場工事などの騒音や屋根の上に登っての作業など、近隣の方々にもなにかとご迷惑をかける恐れがあります。
そのため工事が始まる前に事前報告をしておくことで、近隣のトラブルを防ぐことができます。
何日に足場工事を行い、騒音や大きなトラックが停まる予定日や。
または高圧洗浄をするときの洗濯物の注意など、あらかじめ日程などを事前に報告することで、大きなトラブルを防ぐことが出来ます。
このように近隣挨拶は、ご近所の今後の付き合いを見据えて考えると、気持ちよく挨拶ができる関係性が断然いいですよね?
でも近隣の挨拶は、気を使うし、めんどくさいものですよね。
ただこのような近所への挨拶は、施主様であるあなたが直接するか、もしくは業者自身がサービスの一環として、施主さんに変わって行っている業者もあります。
自分でおこなうのが面倒くさいと思われる方は、そういった近隣の挨拶を代行してくれる業者も、工事依頼の基準にしてもいいでしょう。
足場をしっかり組み立てなければ、足元が安定しないため安全面を含め、塗装工事の施工内容にも大きく影響を及ぼします。
また通行人や近隣の安全や作業を円滑に進める為、しっかりと足場を組みます。
この工程のときは、鉄を叩く「カンカンカン!」というような騒音が出ます。
足場組立後に、メッシュシートの取り付けも行います。
これは、風圧により支柱への負担を軽減できます。
3.外壁屋根下地の劣化状況の確認と補修・シーリング工事 【作業日数2~4日】
下地の劣化状況の確認と補修
現場調査の際にも行いますが、高圧洗浄を行う前にも再度、下地の状態をあらかじめチェックして、問題がある場合は後で補修を行います。
よくある劣化は破損やひび割れなどです。
下地のダメージがひどい場合は、写真のように打診棒を使い、外壁を叩いて、壁の浮きなどによる空洞音の確認や、ひび割れや破損を丁寧に確認して補修をしていきます。
下地の状態を確認しないまま高圧洗浄をしてしまい壁が壊れたというトラブルがおきやすいためです。
シーリング工事
また、外壁がサイディングの場合で、先打ちの場合は、この工程でシーリング(サイディング同士のつなぎ目のコーキング)補修を行います。
シーリング工事とは、「線に対してする防水工事」のことです。
サイディングの継ぎ目や壁と窓の接着部分などの線に対して、水が入らないように線上に防水をしていきます。
メンテナンスの理由として、シーリング材はゴムと同じ弾力性と収縮性を持っています。
このシーリング材は、わずかな家のズレや動きに対してもゴムのように収縮し、ある程度の変化でも強度を保つことにより、水の侵入を防いでくれます。
しかしシーリング材はある程度伸びに耐えますが、古くなると劣化した輪ゴムのように、プチッともろく切れてしまいます。
そのため劣化してくると固くなったり、ヒビや割れによって防水の機能を果たせくなると、外壁の中に水が入り、雨漏りや建物内の腐敗等の原因となります。
そのためシーリング劣化は、打ち替えなどのメンテナンスが必要となってきます。
また、シーリングのもう一つの働きは。
その伸縮性する特性を生かし、寒暖などによる家の伸縮やズレのショックを吸収して、家を守ってくれるという働きを持つ大切な部分です。
主な材料は。
・不定形シーリング材
施工時に粘着性のあるペースト状のシーリング材のことです。
・1成分形シーリング材
あらかじめ施工に供する状態に調整されているシーリング材です。
空気中の水分や酸素と反応して硬化します。
・2成分形シーリング材
施工直前にシーリング材に硬化剤を調合して、練り混ぜて使用するシーリング材のことです。
シーリング材の主成分が硬化剤の成分と反応して固まる反応硬化形とよばれているシーリング材になります。
高圧洗浄前のシーリング工事によって、サイディング同士の継ぎ目を止めることにより。
高圧洗浄時による家の中の浸水をあらかじめ防ぐことを目的としています。
・ガスケット
ガスケットはハウスメーカーで多く使用されている目地材になります。
外壁の柄や模様に合わせて成形されている板の継ぎ目に使用されるゴム製の素材です。
メンテナンス方法は、建てたハウスメーカーにお願いしガスケットの交換する場合と。
または古くなったガスケットを撤去してシーリングを打ち直す方法があります。
4.外壁屋根高圧洗浄 【作業日数1~2日】
高圧洗浄で、外壁や屋根に付いた汚れや古い塗膜を高い水圧で落として、家の下地と塗料の結着を高める作業になります。
この工程は、塗装の仕上がりや工事による汚れの事故などに大きく影響しますので。
しっかりと養生し、塗装による汚れをしっかりと保護するようにします。
6.肌合わせ・ケレンがけ・鉄部サビ止め、【作業日数0.5~2日】
肌合わせ
肌合わせとは、下地補修で下地のひび等を補修した場合に、凸凹にならないように塗装面を平らにする作業です。
建物自体は長い年月によって寒暖の変化により、何度も収縮を繰り返します。
その建物自体の収縮の繰り返しや経年によって壁にヒビが入ります。
また塗装の塗膜の剥がれなどで段差が付くことがあります。
そのようなヒビや塗装の剥がれを左官補修をして平面に整えることで、周囲の外壁と同じように整え、補修跡を目立たなくさせます。
この作業を肌合わせと言います。
補修ひとつにおいても、そのまま補修跡を残して塗装してしまう場合と比べ。
防水効果や工事の耐久性、美観的な要素も考慮して塗装するかで工事の仕上がりすべてに関わる作業です。
ケレンがけ
次はケレンがけです。
ケレンがけは下地処理のことです。
主に下地処理をする理由は。
1. 塗装する下地についているホコリなどを除去する
2. 塗装する面にペーパーなどを使用してキズをつけ、塗料と下地の密着を良くするため
① 木部では、木材のケバ(ザラザラ)等を除去
② 鉄部では、サビ・溶接のカス等を除去
こういった意味でしっかりと下地処理をおこないます。
さび止め塗布
下地処理をおこなったら、いよいよ塗料を塗っていきます。
まずはさび止めを塗っていきます。
さび止めとは、下地の鉄部からさびを出にくくする鉄部下地に塗る薬剤ことです。
錆の原因は、空気中の酸素と水が主たる原因になります。
錆のメカニズムは、一部の金属に水と酸素が触れると金属の電子を失い、「酸化」という化学反応を起こします。
このように環境中の酸素や水の反応を起こして金属が変化したものが錆となるわけです。
そしてさび止めは、金属の下地表面に直接皮膜を形成し、錆の原因となる水や酸素を遮断・除去することで錆や腐食を防ぐ役割を持っています。
多くの塗料の4つの主要成分は、顔料・樹脂・溶剤・添加物を使用されていますが。
さび止め塗料は、隠ぺい性と塗膜強度が高く優れた防錆効果のある顔料を使用することで錆止め効果をもたせています。
さび止めを塗る場所は付帯部と呼ばれる、外壁についている、雨樋・幕板・雨戸・戸袋・笠木、などの鉄部やトタンの屋根などに下塗り前に塗ります。
7.外壁・屋根下塗り(サーフェイサー・シーラー) 【作業日数1~2日】
外壁や屋根の塗装工事を行う際には、下塗り・中塗り・上塗りの3回に分けて施工するのが基本となっています。
そして適切な乾燥期間を取りながら3回重ねて塗ることによって、外壁や屋根を紫外線や風雨から保護する丈夫な塗膜を形成していきます。
その中で、ここで説明するのは、いわゆる下塗りと呼ばれる工程のことです。
最近の塗料は、耐久性を考慮した過酷な環境下でも長く美しさを保つ高性能な塗料が出ていますが。
先に説明したさび止め同様。
どんなに高性能な塗料をいかに使用しようが、この「下塗り」と呼ばれる、シーラーやプライマー、サーフェイサーがしっかりしていなければ。
その本来得られる性能は発揮することができません。
このように下塗り塗料の役目は、下地と上塗り用の塗料の密着性を高め、塗料によってできる塗膜自体を強め、固くするという役目を持ちます。
さらにもろくなった下地の強化や、サビやカビの発生を抑制させるなど、様々な用途の目的で使われます。
そのため直接下地に塗る下塗り塗料には、たくさんの種類があります。
なぜならば下地の材質や状態、また上塗り塗料の性質によって、変わってくるからです。
家の塗装での下塗りで使われる材料は、主に3つあります。
1.プライマー
2.シーラー
3.サーフェイサー
1.プライマーは、プライマーは主になめらかでツルツルとした下地に使われる材料です。
プライマーの種類としては。
密着性プライマー
密着性プライマーとは、読んで字のごとく下地と上塗り剤との間に塗ることで、下地と上塗り剤の密着性を高める目的として使用されるプライマーです。
多くの場合は、この密着性を高めるための用途で使われる目的としてプライマーを使用しています。
防錆(ぼうせい)プライマー
主に鉄部や金属製の下地素材に、サビを抑える目的のために使用されます。
まれにかなりサビついて薄くなった鉄部など、ケレン作業(この場合はサビを落とす工程)が十分にできない時などはサビを抑えこむ機能があるため。
外部からサビを抑えこむためにに使用されるプライマーです。
●浸透性プライマー
浸透性プライマーは、下地に浸透する性質を持っています。
「下地が経年でボロボロで接着は大丈夫か・・」と下地が不安定な場合があります。
そんな時に役立つのが、もろい下地にしみ込んで固める「浸透性プライマー」です。
そのため浸透性プライマーは、主にコンクリートやモルタルなどの無機質系素材の表面強化のために使われる下塗り剤になります。
このプライマーが外壁の内部まで浸透することによって、上から塗る上塗り材が外壁に吸い込まれなくなり、さらにプライマーが内部から外壁を強化する効果があります。
劣化が見られない下地にも、耐久力を上げて塗装を長持ちさせる目的で使用されることがあります。
●伝導性プライマー
電気が伝わりやすい性質のことを「導電性」と呼びます。
一方、電気が伝わりにくい性質は「絶縁性」になります。
静電気で製品が故障する恐れのあるような精密機器を扱う工場や、静電気でホコリや汚れが吸着して火災や機械の故障を引き起こす恐れがあります。
そのため「伝導性プライマー」は、静電気に吸い寄せられてほこりが溜まりやすくなるため、電気を溜めにくい安全な環境を作るために塗られる下塗り剤になります。
伝導性プライマーを精密機器やフロア材に、導電性プライマーを下塗りしておくことで。
導電性が高くなり、静電気をため込みにくい安全な環境を作ることができます。
シーラー
「シーラー」の語源は英語の「seal」=「シールする・覆い隠す・塞ぐ・接着する」から来ているようです。
シーラーは下地の表面の細かいひび割れを補修したり、塗装面が上塗り材を吸い込むことを抑制し密着性を高める目的で、下地に直接塗られる下塗り剤塗です。
もし外壁にそのままシーラーを塗らずに下地に直接上塗り剤を塗ってしまうと。
外壁材が塗料を吸収によって、施工不良や色ムラの原因になってしまいます。
外壁塗装工事や屋根塗装工事を行うとき、塗装面と仕上げ塗料の接着が悪いと、塗膜が剥がれるなどの劣化が起こりやすくなります。
そのためシーラーを塗装しないと、高い耐久性や美しい仕上がりを実現できません。
シーラーにも複数の種類があります。
●浸透性シーラー
浸透力に優れていて、劣化した下地に奥深く浸透して下地を補強し密着性を高めます。
吸収性の高い下地材(ケイカル板・ALCパネル・モルタルなど)の場合に使用します。
●ヤニ止めシーラー
実はシーラーには、塗装面から出るヤニを抑制するという働きもあります。
家の素材はいろいろなもので造られていますが。
それぞれの素材は、ンクリート壁からアルカリが発生したり、木製、砂壁や繊維壁の壁からヤニやアクが発生したりするケースもあります。
ヤニ止めシーラーやアルカリ止めシーラーを使用することで、塗装面に汚れが染み出してきてしまうのを防ぐために使用します。
●カチオン系シーラー
カチオンシーラーは、耐アルカリ性や付着性が高い塗料です。
カビや藻の発生を防ぐ性能も高いうえに、下地に古い塗膜が残っている場合に使用したりと、コストパフォーマンス・作業性も便益性の高いシーラーです。
コンクリート壁、モルタル壁、スレート板、PCパネルなどに対して多く用いられます。
防カビ性や防藻性に優れた性質を生かして、内部でも外部でも使用できます。
カチオンシーラーには、ホワイトタイプと透明タイプの2つがあります。
サーフェイサー
「サーフェイサー」は、下塗りではなく「中塗り」にあたり、特に劣化が進んだ古い下地材によく使用されます。
前の記事(肌合わせ)で説明しました通り、塗装前に下地のひび割れや凹凸を修正しますが。
その時に凹凸が収まりきらない場合もあります。
その場合、何も処置なしに上塗りに進んでしまうと、下地の凹凸が浮き出てしまう原因になってしまいます。
美観的にもよくないですよね?
ここまで説明してきました、シーラーやプライマー等の下塗り完了後に、下塗り剤でカバーできなかった凹凸を補正するために、サーフェイサーを使用します。
上記のように、外壁下地材の凹凸が激しい部分を、シーラーやプライマーの下塗り剤を塗布した後、サーフェイサーで凹凸を滑らかにします。
この写真でわかる通り、他の塗料と比べて、凹凸を抑える効果があります。
このサーフェイサーのもつ性質の効果により、塗装面の仕上がりはさらに平滑で美しくなります。
また、下塗り剤を必要としない、サーフェイサーや、下塗り剤の役割を兼ねた、プラサフと呼ばれるサーフェイサーの種類もあります。
このように中塗り、上塗りの塗料を塗る前に下塗りの材料を塗ることにより。
下地に対して、中塗り材と上塗り材との密着や下地を補強する役割があります。
プライマー、シーラー。
フィラーfiller(埋める物)からくる用語であり、下地の割れや欠損などの凹凸を埋めて下地を調整する下塗り材料などがあります。
「外壁塗装は3回塗り」と一般的に言われていますが、このシーラーやフィラーがこの1回塗り目になります。
8.屋根の縁切り 【作業日数0.5~1日】
もちろん新築後のストレート瓦は塗装をする必要はないので新築後から起算して1回目の屋根塗替えは、「縁切り」は必要ありません。
縁切りを必要とする工事は、初めての屋根の塗り替え工事をしてから数えて、2回目からする必要があります。
※しかし新築後初めてであっても、縁がふさがっている状態だと縁切り工事を施工する必要があります。
この2回目の屋根塗替えでは、ストレート瓦の重ね目の隙間にローラーなどで塗料を塗ると瓦と瓦の重ね目の隙間をふさぎこんでしまいます。
これが毛管現象という雨漏りの原因を作り出す可能性が出てきます。
毛管現象
毛管現象とは、水の入ったコップの中にストローなどの管を入れると、水面の高さより高くなったり、低くなったりします。
この現象は水の表面張力によって生じるものです。
たとえばテーブルにこぼれた水に雑巾の端を少し浸しておくだけで、水が布に伝わって勝手に水を吸い込んでいくのも、この表面張力から生じた毛管現象の特性です。
屋根塗装の場合は、雨水がこの毛管現象によって瓦と瓦の重ね目の隙間をふさぎこんだ部分に雨水が侵入して、雨漏りの原因や建物内部の腐敗の原因を作り出してしまいます。
▲雨水の侵入による腐敗は、このようになります。
主な縁切り方法は2種類あります。
一般的な「縁切り」とは、塗装完了後に瓦の重ね目のふさがった隙間の塗膜をカッターなどで切って、水の流れをよくして建物内の水の侵入を抑制する工程を言います。
タスペーサー
そしてもう一つの縁切り方法は。
タスペーサーという道具を使う方法です。
▲このような形状をしています。
タスペーサーの使い方は、屋根の下塗りが完了した状態で、屋根と屋根の間に入れて適切な隙間をつくっていきます。
そのため、屋根の隙間にタスペーサー挿入後に屋根と屋根との間に適切な隙間をつくり、中塗り・上塗りと順を追って進めていきます。
またこのタスペーサーを使用した縁切り方法をおこなう業者も増えてきました。
▲なんということでしょう!?匠の手にかかるとこれだけの適切な隙間が・・♡
でもここで誤解していただきたくないのは。
タスペーサーを使っているからいい業者とか、使っていないから悪い業者だといった必須の道具ではないです。
あくまでも一つの手法として、このような2つの手法をおのおのの業者は使っているということだけです。
あらかじめご了承ください。
9.外壁・屋根中塗り・上塗り【作業日数合計5~10日】
中塗り(2回目)
いよいよ塗料を塗る工程です。これまで塗料選びや色選びに時間をかけてこられたと思いますが、この工程で使用されます。
塗料工事の際は、ホコリや水分がある場合は、しっかりと除去作業を行いながら丁寧に塗装していきます。
上塗り(3回目)
上塗り材は家の外壁の美しさを保つ大切な部分です。
艶や色味、色の明度、塗料の質感(ザラザラ感、ツヤツヤしいなど)、外壁の印象部分を与える重要な部分ですが。
上塗りの材料は様々あり、おのおのの材料が持つ特質は様々です。
その本来持つ上塗りの材料の特性を出すためには、塗料メーカーが1平方メートル当たりに必要な塗布量と必要乾燥期間がしっかりと明記されています。
そのため、著しく薄めたり。
ここまで説明してきた、工程をしっかりできていない、必要な乾燥期間、また適切な塗布量を保って塗ることができなければ、本来持つ上塗りの材の効果を十分に発揮することができません。
上塗り材の代表的な4つをご紹介
アクリル塗料
ウレタン塗料
ウレタン塗料は光沢のあるツヤツヤしい塗膜を形成するのが特徴です。
ウレタン塗料は柔軟性と密着性に優れていて、ひび割れしやすいモルタルやコンクリートなどの外壁におススメです。
塗膜性が強いため、下地にひび割れが入っても塗膜を保ちやすく、水の侵入を抑制してくれる効果が期待できます。
色も鮮やかで、新築のようなピカピカな仕上げになります。
費用相場の目安としては1平方メートル、1500円~2000円くらいが目安になります。
ただ欠点は耐久性、8年~10年とされています。
そのため長期的にみると、耐久性の低さからコストパフォーマンス的に落ちます。
シリコン塗料
シリコン塗料は現在最も戸建て物件の塗装で使われている、塗料になります。
その理由は、機能性や耐久性を踏まえて、コストパフォーマンスも高いこと、そして気候の変化への対応力、汚れをはじく性能から、外壁だけではなく、屋根塗装にも多く使用される材料です。
費用相場の目安としては1平方メートル、2500円~3000円ほどが目安となります。
耐久性は、おおよそ10~15年と優れています。
フッ素塗料
なんといってもフッ素塗料は高い耐久性と、メンテナンスの手間を減らせ、中長期的に見るとコストパフォーマンスが高い塗料です。
フッ素塗料の耐久性の高さは、シリコン塗料よりも結合力が高く、「低摩擦性(汚れが滑り落ちやすい)」「非粘着性(汚れを弾く)」「耐薬品性(酸性雨に強い)」「耐候性(紫外線に強い)」という特徴があります。
費用相場の目安としては1平方メートルあたり4,000〜5,000円ほどが目安となります。
耐久性は、おおよそ15年~20年とされています。
工事の都度に建てる、足場費用、手数料等を踏まえても、中長期的に考えると、かなりコストパフォーマンスが高い塗料です。
耐年数が高い塗料を選ぶことによって、
中長期的にランニングコストを抑えることができます。
このようにいくら安い工事費用だと思って決断しても。
ライフサイクル的に考えてみると、手間や工事費、足場費用など、中長期的に見るとコストパフォーマンスは落ちてしまいます。
上塗り材料の主な効果
・「超低汚染」
汚れにくい性質で家の美観を保ってくれる性質のことを言います。
・「伸縮性」
材料の伸縮性によって、建物のひび割れや歪みから守ります。
・「高耐候性」
多くの塗膜劣化要因の雨・紫外線・赤外線に強い性質を持ち、変質や劣化を塗膜で建物を守ります。
・「「遮熱性」
太陽の光の熱を塗膜が塗装の下地面を覆い隠すことによって、太陽熱を反射させることによって、放射熱をすことによ建物が受ける熱の影響を軽減させる効果があります。
省エネを考えて人気がある塗料です。
外壁としっかり密着する性質を持ち、外壁塗装の耐用年数が長いです。ウレタン系塗料の耐久年数は5~8年、シリコン系塗料は8~12年とされるなか、フッ素系塗料の耐久年数は12~15年にもなります。
10.付帯部2回塗り、鉄は3回塗り【作業日数1~2日】
外壁や屋根以外の部分付帯部と呼ばれる。
シャッターボックス、玄関ドア、庇、軒天、雨樋、雨戸、鼻隠し、破風板、笠木、水切り板金、ポスト等のこれらが付帯部と呼ばれています。
付帯部の塗装を最後に行います。
11.ベランダ(バルコニー)防水 【作業日数1~2日】
続いてはベランダ床の防水性を回復する工事を防水工事といいます。
一般の戸建ての住宅のベランダ床は、木製かコンクリート製が一般的です。
もともとこれらの素材は、ベランダの水の流れをしっかりと処理をおこなわなければ、雨漏りの原因になってしまいます。
主な防水工事の種類は4つです。
トップコートの塗り替え防水
このベランダの床材、木やコンクリートの下地から家の中に水の侵入を防いでいるのは。
防水層と呼ばれる、言わば水の侵入を防ぐために、上層に塗られたバリアになる層のことです。
つまり防水工事とはこの防水層を形成する工事のことを言います。
当然、防水層を形成する場所は、ベランダや屋根等の外気にされされる箇所がメインとなります。
これらの場所は長年の経年によって、雨風や紫外線にさらされ、ダメージを受けている場所です。
そしてこの防水層を保護するために、上から塗るものをトップコートと呼びます。
あくまでこのトップコートだけを塗るのは、防水層の保護目的であって、トップコート自体、防水性を持っているわけはありません。
ベランダ防水ではなく、防水層のメンテナンス的な工事になります。
FRP防水
FRP防水の特徴は、ポリエステル繊維とガラス繊維で編み上げられたシートを敷き詰めて、防水層を形成していきます。
繊維状のメッシュシートを敷き詰めて、ポリエステル塗料を上に塗りながら、シートととのつなぎ目をふさぎ込むため、優れた防水性を発揮します。
FRPはFiberglass Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)という意味を持ちます。
そのため、いくら防水性に優れていると言っても、プラスチックは紫外線等に弱いため、定期的なトップコートを塗るメンテナンスが必要となってきます。
シート防水
シート防水とは、塩化ビニール樹脂(プラスチックの一種)や合成ゴム製のシートをベランダの下地に接着剤を使用して、防水層を形成する工法です。
このシートの特徴は伸縮性があるため、地震などに強いシートになります。
広くむらなく防水できるために、マンションやアパートの屋上等でよく使用される防水方法になります。
ウレタン防水
戸建のベランダの場合は、FPR防水かウレタン防水が主流となっています。
このウレタン防水は液体状のウレタン樹脂を数回重ねて塗ることで、防水層を形成する防水工事になります。
比較的に工事も簡単で、費用的に安価なことから、戸建てのベランダで使用される工法になります。
ただウレタン防水層は、紫外線に弱いという欠点があります。
そのため、5、6年ごとに定期的にトップコートを塗ることで、15年程度ウレタン防水層を保つことができます。
また液状のウレタン樹脂を使うだけなので、ベランダや屋上、バルコニーと万能に防水工事を行うことができます。
最後に防水工事については、足場の足がベランダ内にある場合は、足場解体後に行うこともあります。
12.職人チェック、掃除・養生撤去【作業日数1日】
工事が終わると塗り残しがないかをチェックし、養生テープの撤去、ごみなどの清掃をおこない持ち帰ります。
工事の際に取り外したクーラーのホースや、移動した室外機等を元の状態に戻して、もともとの家の状態に戻します。
13.立ち合い最終チェック、手直し【作業日数1~2日】
最後にお客様に気になった点はなかったか確認を取り、細かい部分を隅々チェックしていきます。
その際に工事の不備や塗り直し等があれば、改めて手直しをして、お客さんに再度確認を取り了解後、工事完了となります。
14.足場・メッシュシート解体8【作業日数1日】
15.引き渡しと、請求書のお渡し【0.5時間~1時間】
塗装工事日数と内容のまとめ
ここまでいろいろなことをお話ししてきましたので、けっきょく???
こうなっていらっしゃるかと思います。
最後は簡潔にお話ししていきます。
建物の規模別の施工期間例
外壁塗装の大まかな施工日数は、延床面積30坪のお家を丸ごと塗装した場合で10~14日くらい
・30坪の2階建て戸建てで外壁、屋根、付帯部の塗装:10~14日
・40坪の2階建て戸建てで外壁、屋根、付帯部の塗装:13~17日
工事の日数と流れ
足場組立工事⇒下地の確認や処理⇒シーリング工事⇒高圧洗浄⇒養生⇒さび止め、ケレン⇒下塗り⇒中塗り⇒上塗り⇒付帯部塗装⇒確認、清掃、養生撤去⇒完了検査⇒足場解体工事⇒引き渡し⇒請求書⇒お支払い
足場組立工事【1日】
下地の確認や処理・シーリング工事【2~4日】
高圧洗浄【1~2日】
養生【0.5日~2日】
さび止め・ケレン・(肌合わせ)【0.5日~2日】
下塗り【1日~2日】
中塗り・上塗り【5~10日】
付帯部塗装【1~2日】
確認、清掃、養生撤去【1日】
完了検査【1~2日】
足場解体工事【1日】
引き渡し・請求書発行【0.5時間】
お支払い
これはあくまでも目安です。
天候や家の状態、環境等で、2~4日延びるくらいで考えていただけると、いいかと思います。
ここまでありがとうございます。
西谷工業、新町が現場からお伝えしました。
ぜひ、参考にしてみてください。